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編集・発行/日本性教育協会(JASE)

朝山新一

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朝山新一の
性科学と性教育

宇野賀津子、片瀬一男、東優子(著)
日本性教育協会(編)

公開日:2025年2月27日

「日本のキンゼイ」と呼ばれた性科学者・朝山新一博士(元・大阪市立大学名誉教授、1908年 - 1978年)は、終戦直後から日本人の性行動調査に積極的に取り組み、1974年から始まる「青少年の性行動全国調査」第1回調査では委員会の代表を務め、日本の性科学研究を国際的に発信することに努めました。また、日本性教育協会の設立に参画し、日本の性教育の発展を牽引しました。
 本書では、日本の性科学・性教育の発展に大きく寄与した朝山博士の功績を、3つの章と4つのコラムを通して紹介します。

朝山新一 経歴
 1908〜1978年。京都市生まれ。1934年に京都帝国大学理学部動物学科を卒業。1941年に家族とともに満洲国の新京(現在の長春)に渡り、新京畜産獣医大学教授、さらに新京医科大学教授に就任。戦後はソ連の侵攻後、国共内戦の混乱の中、一時、大学教授としての留用を経て、1946年に引き揚げ後、1949年に大阪市立大学教授に就任。理学部長を経て、1971年に定年退職、名誉教授となる。
 性分化の研究を専門とする発生生物学者であるとともに、1972年、日本性教育協会設立に参加し常務理事となり、1974年、総理府(当時)の委託により同協会の「第1回 青少年の性行動調査」を主導した。没後の1979年、第4回世界性科学学会(現・性の健康世界学会)において、第1回国際性科学賞受賞、アルフレッド・キンゼイ博士らと並んで「性科学の父」の称号を与えられた。
 著書に『性の現象』(1948, 臼井書房)『性教育―教師と両親のためのテキストー』(1967, 中央公論社)『さようなら ありがとう みんな―癌と闘った夫妻の記録-』(1971, 中央公論社)など。訳書に『キンゼイ報告 女性篇-人間女性における性行動ー』(1954, コスモポリタン社)『性の署名ー問い直される男と女の意味ー』(1978, 人文書院)など。

●執筆者(執筆順)

片瀬 一男(かたせ・かずお)
--はじめに、第2章、コラム2、資料解説--
 東北学院大学 情報科学部名誉教授。日本性教育協会運営委員。第9回青少年の性行動全国調査委員。1956年、長野県生まれ。1979年、東北大学文学部卒業。1983年、東北大学大学院文学研究科中退(文学修士)。東北大学文学部助手、東北学院大学教養学部助教授などを経て、現在に至る。主著に『若者の戦後史』(ミネルヴァ書房, 2015年)、『健康格差の社会学』(ミネルヴァ書房 共著, 2022年)、『<失われた時代>の高校生の意識』(有斐閣 共著, 2008年) など。

東 優子(ひがし・ゆうこ)
--第1章、コラム1--
 大阪公立大学大学院現代システム科学研究科(人間科学分野)教授。日本性教育協会運営副委員長。1966年、神戸市生まれ。長く、性の健康世界学会(World Association for Sexual Health)の役員を務め、現在でも、アジア・オセアニア性科学連合(Asia-Oceania Federation of Sexology)、日本性科学連合、日本GI(性別不合)学会などの理事・役員、自治体の人権施策・教育に係る委員会委員などを務める。近著(すべて共著)に、『Female Genital Mutilation/Cutting: Global Zero Tolerance Policy and Diverse Responses from African and Asian Local Communities』(Springer, 2023)、『グローバルディスコースと女性の身体:アフリカの女性器切除とローカル社会の多様性』(晃洋書房 2021)、『概論・リプロダクティブヘルスと看護』(メディカ出版 2023)など。

宇野 賀津子(うの・かづこ)
--第3章、コラム3、あとがきーー
 公益財団法人ルイ・パストゥール医学研究センター インターフェロン・生体防御研究室主席研究員。日本性教育協会運営委員。1949年、大阪府生まれ。大阪市立大学理学部生物学科卒業、1986年より京都パストゥール研究所(現ルイ・パストゥール医学研究センターで人の免疫機能の研究を進める)、京都大学理学研究科・単位取得退学(京大・理博)、日本サイトカイン学会幹事・功労会員、日本免疫学会評議員、日本抗加齢医学会評議員を務める。免疫の研究と並行して、エイズ教育や外国人医療体制の確立にも関わる。2011年秋からは日本学術振興会や日本赤十字社の要請で、福島県各地で低線量放射線の生体影響克服と食の重要性について活動。最近はクライシス時のSNSによる科学的情報発信体制の研究を進める。著書に『現代性科学・性教育事典』(編著 小学館, 1995年)、『理系の女の生き方ガイド』(講談社ブルーバックス, 2000年)、『サイトカインハンティング:先頭を駆け抜けた日本人研究者たち』(日本インターフェロン・サイトカイン学会  宇野賀津子、米原伸、松島綱治編著 京都大学学術出版会, 2010年)『低線量放射線を超えて:福島・日本再生への提案』(小学館101新書, 2013年)など。

池上 千寿子(いけがみ・ちずこ)
ーーコラム4--
 特定非営利活動法人ぷれいす東京顧問・理事。日本性教育協会運営委員顧問。1946年、北海道生まれ。性とジェンダーをテーマに研究や社会活動を行い、国際婦人年第1回世界女性会議(1975年)に参加。1982年からハワイ大学「性と社会太平洋研究所」にてミルトン・ダイアモンド教授に師事しセクソロジーを学ぶ。第1回国際エイズ会議(1985年)に出席、エイズに関するNGO活動に取り組む。WAS(World Association for Sexual Health)2011ゴールドメダル賞受賞。著書に『思い込みの性、リスキーなセックス』(岩波書店, 2011年)、『性について語ろう』(岩波ブックレット, 2013年)など。